• 防腐剤や合成界面活性剤を使わない、ATP配合の基礎化粧品

    第5回のおはなし

    ペーハーとは・・・

     pH(ピーエイチ/ペーハー)。

    誰でも一度は聞いたことのある、この言葉。
    小学校理科の時間に”リトマス試験紙”を使って身近なモノが酸性かアルカリ性かを測ってみた記憶もあるかと思います。

    さてこのpH、何の略だかご存じですか?

    直訳では、何の事だか??という感じですね。
    化学的に訳すと、ここにでてくる「power」は、べき乗(累乗=10を何回掛け合わすか)の意味です。

    例えば、中性の純粋な水には、1リットル中にH+(水素イオン)が
    10⁻⁷(10のマイナス7乗)=0.0000001モル含まれています。これを対数表示して(pH7.0)と書きます。

    つまり、水溶液にどれだけの水素イオンが含まれているか、
    power of Hydrogen =「水素イオンの濃度の対数表示」と訳する事ができます。

    pHの数値は、「水素イオン濃度」の数値から導き出されている事から、
    このような意味があったのですね。

    では、簡単に・・・
    水素イオン濃度が高いとどうなるか。低いとどうなるか。
    下の図をご覧ください。

    水溶液中の水素イオン濃度が 高い酸性
    水溶液中の水素イオン濃度が 低いアルカリ性 となります。

    pH値は、0~14まであり、7.0が中性です。
    7.0よりpH値が大きいもの⇒アルカリ性
    7.0よりpH値が少ないもの⇒酸性
    と、なります。                

    では、このpHの違いは私たちの生活において、どんな影響を及ぼすのでしょうか。

    例えば、私たち人間の肌。

    人間の皮膚の表面は、通常pH6.5前後の弱酸性です。

    皮膚の表面が、極端に正常範囲からはずれると、過敏になって細菌炎症などを起こしやすくなると言われています。多少のズレでしたら、体内から分泌される皮脂や汗などによって、中和され自然に弱酸性に自力で戻すことができます。

    このチカラを、⇒「皮膚の中和能力」といい、この現象を「ホメオスタシス」と呼びます。
    ※ホメオスタシスについては、前回のおはなしをご覧ください。

    肌荒れが起きている状態の肌は、この中和能力がうまく機能しない、または衰えている状況で、皮膚の抵抗力が弱まり、雑菌が繁殖しやすい状態の肌とも言えます。

    この状態のとき、化粧水が中和能力の手助けをしてくれること※を、ご存じでしょうか。

    生化学の分野では、実験などを行う際に、溶液内のpHを一定に保つ必要があります。
    生物や化学物質にはpHに敏感なものが多く、周りの状況によってpHが容易に変動してしまいます。
    その結果、分子の形状が変わってしまい、反応性にも変化が生じてしまいます。
    こうなると、期待した化学反応が起こらなかったり、本来の効果、作用が得られなかったりします。
    そこで、水素イオンの濃度をできるだけ一定に保とうとする溶液=緩衝液(バッファー)を用いて一定のpHに保つことで、その生物、物質の目的とする性質を引き出すことができるようになります。

    化粧水は、お肌に対しての緩衝液(バッファー)といっても良いかもしれません。お肌のpHを速やかに適切なpHに近づけるために、肌の中和能力の助けになっていたのですね。

    そして、私たちの生活においてはほかに・・・、

    農家では畑の土を、栽培する作物の好むpHに合わせるために、肥料などで調節して作物を育てています。発酵食品の製造工程では、最も効率よく酵素が発酵を行うために、徹底したpH管理がされています。

    私たちの生活と、とても関係の深いものなのですね。

    ここでひとつ気になること・・・
     
    pHが正常範囲からズレると肌荒れに繋がるのなら、常に弱酸性の石けんなどを使っていれば良いのでは?!と思われるかもしれません。

    が、ここでも「ホメオスタシス」・・・
    せっかく自力で弱酸性に戻る力をもっているのに、この能力を使わないでいると、筋肉と同じようにどんどん衰えてしまいます。

    それでは、この衰えを阻止するためにできること。。。
     

    それは毎日の洗顔!!

    ルシェーヌ化粧品では、液体石けんはpH10.5、固形石けんではpH12を基準として製造しています。
    このpH範囲では、老廃物や雑菌を落としつつも、肌に必要な皮脂や水分を残すという性質を持っています。石けんの主な成分「脂肪酸塩」は、このアルカリのpH値だからこそ、その性質を存分に発揮できるのです。

    ここで重要なのは、ルシェーヌの石けんが合成界面活性剤や防腐剤を一切使用していないこと。
     
    石けんをいくら弱酸性にしても、洗浄力がなければ石けんとは言えません。
    そして、洗浄力を持つ弱酸性の石けんというのは、合成界面活性剤を使用しないと製造はできません。
    さらに、酸性の成分だけでは泡立ちが悪く、発泡剤を使用しないといけなくなります。

    弱アルカリ性の性質を活かした石けんで、汚れをしっかり落とす。
    肌の持っている中和能力を活かして、化粧水をつける。
    (化粧水の後は、乳液などでしっかり蓋を!忘れずに♪)

    毎日のこのお手入れを、肌の健やかさを損なわない成分だけで作られた化粧品で行うと、「肌本来のチカラを引き出すことが出来る!!」
    と、ルシェーヌ化粧品は考えています。

    そのほかにも・・・
    毎日の生活で、ちょっとpHを意識してみると・・・

    血液はpH7.4。
    酸性のものばかり食べていたり、アルカリ性のものばかり食べていると、
    やはりpH7.4からズレてしまいます。だから、pH値のバランスも取れた食事を・・・

    家の中のお掃除の際に、油汚れにはアルカリ性の洗剤を、石けんカスには酸性の洗剤を・・・

    などなど、

    pHを気にして周りを見渡してみると、
    今までとは違う見方ができるかもしれません♪